虫垂炎の特徴
盲腸から垂れ下がった虫垂(虫様突起)が細菌感染などによって炎症を起こしている状態です。発症は若年層に多い傾向がありますが、高齢者の発症もあります。炎症が軽度の場合には抗菌薬などの治療で効果が見込める場合もありますが、悪化したまま放置してしまうと腹膜炎や敗血症を起こして命に危険が及ぶ可能性もあります。
虫垂炎の原因
細菌やウイルスなどに感染して発症することが多いと考えられていますが、明確な原因はまだはっきりとはわかっていません。一般的に、睡眠不足や疲労、ストレスなどによって免疫力が下がっていると感染しやすくなります。また便秘も発症に関与する可能性があると指摘されています。
虫垂炎の症状
最初に吐き気や胃の不快感が起こり、痛みが時間経過によって徐々に右下へ移動していきます。発熱などをともなったり、激痛を起こしたりすることもあります。虫垂が穿孔を起こして腹膜炎や敗血症などを起こす可能性もありますので、早めに受診して適切な治療を受けてください。
虫垂炎の検査・診断
問診や触診を行い、血液検査や超音波検査(腹部エコー)、X線検査などを行って炎症の状態や範囲を確かめ、総合的に判断しています。
血液検査
白血球数やCRPなどを調べることで炎症の有無や程度を確認します。
超音波検査(腹部エコー)
腫大や肥厚、糞石、腹水などの有無を確認します。
X線検査
盲腸周辺のガスの状態などを確かめることができます。
虫垂炎の治療法
炎症が軽度の場合には抗菌薬を投与し、絶食で安静を保って様子をみることもありますが、少しでも穿孔リスクがある場合には手術が必要です。 手術は、開腹手術と腹腔鏡下手術があり、緊急手術としてすぐに行う場合もありますが、抗菌薬で炎症をある程度落ち着かせてから手術を行う場合もあります。 虫垂は免疫や腸内細菌叢に関与する働きを持っていることがわかってきていますが、虫垂炎が進行すると大変危険なので、疑わしい症状がある場合は速やかに受診してください。