アトピー性皮膚炎
痒みのある湿疹を左右対称に起こしやすい皮膚疾患で、繰り返し症状を起こしてしまうケースが多くなっています。皮膚のバリア機能が低下して悪化させやすいため注意が必要です。
原因
ドライスキンで皮膚のバリア機能が低く、アレルギーを起こしやすい素因があると発症しやすいとされています。原因はまだはっきりとわかってはいませんが、遺伝的・環境的な要因が絡み合って発症すると考えられています。
治療
症状が出ていると皮膚のバリア機能が低下している状態です。まずは薬剤を使い早区症状を改善させて、その後に良い状態を保つためのケアをしっかり続けていくことが重要です。そのために、ステロイドや免疫抑制剤の外用剤で炎症を抑えていきます。皮膚バリアを取り戻すために使う保湿剤は、炎症が解消した後も継続して使用を続けて皮膚の良い状態を長く保つようにします。特に乾燥する冬は、たっぷり保湿をして乾燥させないようにする必要があります。痒みが強い場合には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の服用により短期間で症状の解消を目指します。症状が重いときは、ステロイド薬や免疫抑制薬の服用を検討します。見た目の症状が改善して薬剤の使用を勝手に中止してしまうと、症状の悪化や再発するケースが少なくないため、処方されたお薬や外用薬は用法・容量・期間をしっかりと守ることが大切です。
ステロイドについて
「ステロイド」を怖い薬と思って敬遠する方が多いのですが、適切な使い方を守れば短期間に高い効果を得ることができます。どんな薬にも副作用がありますし、ステロイドは副作用について研究が進んでいる薬剤ですから、安全性が高くリスクの低い使い方もわかっています。当院では、起こりうるリスクとその確率、使用しないことで起こる症状などについてくわしくご説明しています。また必要な症状と時期を見極めて最小限だけ使うことを基本にしており、可能な場合には弱い薬剤に変えて経過を慎重に観察するなど、安全性を高めてリスクを抑える使用を行っています。ステロイドの使用に関して詳しく知りたい場合には、気兼ねなくご質問ください。
アレルギー性鼻炎・花粉症
アレルギー性鼻炎には原因となるアレルゲン物質がいくつかあります。花粉によって引き起こされる花粉症の中でも代表的な、スギ花粉、ヒノキ花粉など春に飛散する花粉のほかに、雑草のブタクサ、イネ科の植物など、夏や秋に飛散する花粉によって起こる花粉症もあります。症状には鼻水や鼻詰まり、くしゃみ、涙、目の痒み、充血などがありますが、人によっては湿疹などの皮膚トラブルを生じることもあります。
原因
空気中に飛散した花粉によってアレルギー症状が起きています。スギやヒノキのほか、ブタクサやヨモギ、カモガヤといったイネ科の植物によって夏や秋に症状を起こす花粉症もあり、複数の花粉にアレルギーがあるケースも珍しくありません。
治療
抗アレルギー薬内服による治療は、アレルギーを起こす花粉の飛散が開始する2週間以上前に服用をスタートさせるとシーズン中の症状を軽くできる可能性が高まります。また、鼻の症状を緩和させるスプレーによる治療は、症状が出てから行います。外出時にマスクや眼鏡を着用する、室内、特に寝室に花粉を入れないように注意することをはじめ、花粉にできるだけさらされない生活を心がけることも重要です。
食物アレルギー
本来、有害な細菌やウイルスなどから身体を守るための免疫が、無害である特定の食物に対して過剰に反応することで食物アレルギーを発症します。代表的な原因物質であるアレルゲンには、小麦、ソバ、大豆、甲殻類、魚卵、卵、牛乳、ゴマ、ナッツなどがあります。
症状のあらわれ方は、痒み、腫れ、蕁麻疹、呼吸困難など人によって様々です。
気管支喘息
喘息は、咳や痰(たん)といった症状があり、喘鳴というヒューヒューゼイゼイする呼吸や、息苦しさ、呼吸しにくい、呼吸困難などをしばしば伴います。咳だけの喘息は咳喘息と呼ばれます。咳き込みやすい、息苦しいことがある、むせやすい、のどがヒューヒューゼイゼイする、夜間や早朝に症状を起こしやすい、運動するとすぐ息苦しくなるなど、呼吸器に異常があったらできるだけ早くいらしてください。
原因
喘息の原因は、アレルギー反応とそれ以外の2種類に大きく分けることができます。アレルギー反応を起こす原因となるアレルゲンには、ダニ・ホコリ・カビ・ペットの毛・花粉などがあります。
アレルギー以外の原因としては、タバコの煙、風邪、感染症などがあり、大気汚染や気圧の変化、服用している薬剤の影響、過労や睡眠不足などストレスによって喘息を引き起こすこともあります。
検査
呼吸機能検査、アレルギーや感染症の有無などを確認するための血液検査や皮膚反応テスト、肺や気管支の状態を調べる胸部レントゲン、心臓の働きを確認する心電図検査などから必要な検査を行っていきます。
治療
喘息は、発作が起きた時にできるだけ早く症状を抑えるための治療と、発作を起こさないようにする治療を行っていく必要があります。症状や状態に合わせた適切な治療によってできるだけ発作を起こさないようにすることと、お子様が一人の時に発作が起こりそうになっても周囲に正しく伝えたり、ご自分で適切に対処できるようにすることが重要です。