医院名:ワールドシティ益子クリニック 
住所:〒108-0075 東京都港区港南4-6-7
ワールドシティタワーズキャピタルタワー3階
 電話番号:03-5783-0331

糖尿病

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糖尿病について

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。 インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲に抑えています。 血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった重篤な合併症が起こることもあり、生活の質を著しく低下させてしまいます。最近日本では糖尿病が強く疑われる方が増え続けており、約国民の5人に1人の割合となっています。そのうち治療を受けているのは、その1/10しかいないのが現状です。糖尿病は自覚症状がないことが多く、治療の開始時期が遅れてしまうこともよくあります。発症初期に治療を開始して、血糖を良好にコントロールできれば、さまざまな合併症を予防したり発症を遅らせたりすることが可能です。
当クリニックでは糖尿病専門診療に必要な尿検査・血糖値ヘモグロビンA1cを測定する迅速測定器を導入しています。当日に検査結果を分かりやすく説明し、治療方針を決定し、適切な医療を提供しています。また、糖尿病専門医も在籍しており、内科専門医と連携をして診療をしております。

糖尿病の合併症

糖尿病は全身の血管病であり、さまざまな血管で障害を起こします。糖尿病は慢性的な疾患ですが、早期発見と適切な管理により、健康な生活を送ることができます。定期的な健康チェックや医師の指導のもとでの治療は、合併症のリスクを減らし、生活の質を向上させることができます。また、最近では健康な方に比べて、がんのリスクが20%ほど高くなることも報告されています。定期的な内視鏡検査やCT検査などの画像検査で全身管理を行うことが重要です。

糖尿病性神経症

高血糖が末梢神経にダメージを与えることで、感覚異常や痛みを引き起こす神経障害が発生します。手足のしびれや痛み、消化器の機能障害が一般的な症状です。

糖尿病性網膜症

高血糖が網膜の血管を損傷することで、網膜症が起こる可能性があります。網膜症は視力の低下や失明の原因となります。

糖尿病性腎症

高血糖が腎臓の機能を損傷し、糸球体濾過率が低下することで腎臓病が進行します。最終的には透析や腎移植が必要になることもあります。

糖尿病性足病変

糖尿病のかたは、動脈硬化により足の血管が狭く細くなっていることがあることに加え、足の感覚が低下するなどの神経障害を合併していることもあるために痛みなどの症状が出現しにくく、足に生じる水虫や細菌の感染に重篤な状態になるまで気づかないことがあります。

心血管疾患

高血糖やインスリン抵抗性が長期間続くと、動脈硬化(動脈壁の厚みや硬さが増す状態)が進行し、心臓病や脳卒中のリスクが増加します。

肝臓疾患

糖尿病と肝臓の関連はまだ完全には解明されていませんが、糖尿病は脂肪肝や肝硬変のリスクを増加させる可能性があるといわれています。

がん 糖尿病のかたは、特に大腸がんや肝臓がんおよびすい臓がんのリスクが高いといわれています。海外ではその他に、子宮内膜がんや乳がんおよび膀胱がんのリスク上昇と関係があるといわれています。

糖尿病になりやすい人

遺伝的要素

日本人は欧米人と比較するとインスリン分泌量が少なめで、糖尿病になりやすい傾向があります。特に親や兄弟に糖尿病の人がいる場合には同じ遺伝子や体質を受け継いでいる可能性があります。またインスリン抵抗性といって、インスリンの働きが良くない体質を受け継ぐと、糖尿病になるリスクも高くなります。ただし、家族に糖尿病の人がいても、必ず発症するわけではなく、生活習慣に気をつけることで予防することができます。

環境的要素

過体重や肥満は糖尿病のリスクを増加させます。肥満によってインスリン抵抗性が増加し、血糖コントロールが困難になることがあります。
高カロリーで栄養バランスの悪い食事習慣は、糖尿病のリスクを高める要因となります。過剰な砂糖や飽和脂肪酸の摂取、食物繊維不足などの食事は、糖尿病のリスクが高まります。
運動不足は糖尿病のリスクを増加させます。
また、年齢が上がるほど糖尿病のリスクは高まります。一型糖尿病では若年層に多いですが、二型糖尿病は中高年に多く見られます。

糖尿病の種類

1型糖尿病

1型糖尿病では、膵臓からインスリンがほとんど出なくなることにより血糖値が高くなります。生きて行くために注射でインスリンを補う治療が必須となります。世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。若い方を中心に幅広い年齢で発症し、生活習慣が関わる2型糖尿病は原因治療が大きく異なります。

2型糖尿病

2型糖尿病はインスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりすることによって血糖値が高くなります。2型糖尿病となる原因は遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響があると言われています。すべての2型糖尿病患者の方に生活習慣の問題があるわけではありませんが、血糖値を望ましい範囲にコントロールするためには、食事や運動習慣の見直しがとても重要です。飲み薬や注射なども必要に応じて利用します。

糖尿病の症状

多尿(頻尿)

頻繁にトイレに行く必要があり、尿の量が増えます。これは体内の余分な糖分が尿として排出されるためです。

喉の渇き

高血糖によって体内の水分が失われるため、喉が渇いている状態が続きます。大量の水を摂取しても渇きが収まりません。

空腹

糖尿病の場合、体細胞が十分なエネルギーを得られないため、常に空腹感を感じることがあります。

体重の急激な増減

1型糖尿病の場合、体重の急激な減少が見られることがあります。2型糖尿病では、体重が増えることが多いですが、コントロールが悪い場合に体重が減少することもあります。

疲労感

糖尿病によって体内のエネルギーがうまく利用されず、疲労感や倦怠感が現れることがあります。

視力の変化

高血糖が一時的に視力を変化させることがあります。ぼやけた視界や焦点の合わなさを経験することがあります。

これらの症状がある場合、早期の医療チェックが重要です。糖尿病の症状は他の疾患とも重なる場合があるため、早めに医療機関を受診しましょう。

糖尿病の検査

糖尿病の検査には、診断のための検査と合併症などを管理するための検査があります。

空腹時血糖値検査(Fasting Plasma Glucose, FPG)

最も一般的な糖尿病のスクリーニングテストです。検査前の10時間以上の絶食後、血液中の糖分濃度を測定します。通常、正常範囲は70~100mg/dLです。126mg/dL以上の結果が2回以上得られた場合、糖尿病の可能性が高いと考えられます。

経口ブドウ糖負荷試験(Oral Glucose Tolerance Test, OGTT)

これは、糖尿病の診断や前糖尿病の状態を特定するために行われる検査です。最初に空腹時の血糖値を測定し、その後75gのブドウ糖を摂取します。その後、2時間後の血糖値を測定します。空腹時血糖値が126mg/dL以上、2時間後の血糖値が200mg/dL以上であれば、糖尿病と診断されます。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)検査

過去2〜3カ月間の平均血糖値を評価するための検査です。HbA1cは赤血球中の糖とヘモグロビンが結合した割合を測定します。通常、正常範囲は4.6〜5.9%です。HbA1c値が6.5%以上であれば、糖尿病と診断されます。

合併症の管理のためには、採血だけでなく腹部CTや腹部超音波検査などの画像検査や頸動脈超音波検査および骨塩定量なども並行して行って行きます。

糖尿病とHbA1c

糖尿病の管理において、HbA1c(ヘモグロビンA1c)は重要な指標となります。
HbA1cは、過去1〜2カ月間の平均血糖値を示す血液検査です。通常、HbA1cはパーセント(%)で表されます。例えば、HbA1cが7%であれば、過去2〜3カ月間の平均血糖値が目標範囲内であったことを示します。
HbA1cの目標値は個人によって異なりますが、糖尿病の合併症はHbA1cが6.9パーセントを超えると発症しやすくなると言われています。合併症の発症や進行を防ぐためにもHbA1c7.0%未満とすることが推奨されます。
HbA1cの測定によって、糖尿病の管理の効果や治療計画の適切性が評価されます。高いHbA1c値は、血糖値の長期間の制御が不十分であることを示し、合併症のリスクを高める可能性があります。逆に、目標範囲内のHbA1c値は、血糖値の管理が良好であることを示し、合併症の予防に役立ちます。

糖尿病の治療

食事療法

もっとも基本となる治療方法です。適切な分量で必要とする栄養を摂取できるように管理します。特に食べてはいけない食物があるわけではないですが、外食や間食は控えるようにしましょう。アルコールも種類にもよりますがカロリーが含まれているので控えるようにしましょう。

運動療法

運動療法は食事療法と並んで糖尿病の治療の基本です。運動によって血液中のブドウ糖が筋肉に取り込まれやすくなり、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、血糖が下がります。また低下しているインスリンの働きが高まります。運動は大きく分けて、有酸素運動とレジスタンス運動の二つになります。有酸素運動とは、ウォーキングやジョギングなどの全身運動です。レジスタンス運動は、ダンベルなどを使って筋肉に負荷をかける運動です。まずは有酸素運動から始めることが基本になりますが、急に無理な負荷をかけるのではなく、例えば今よりも毎日プラス10分歩くだけでも大切なことです。 継続することが重要になってきますただし合併症などがある場合には、運動の制限あるいは中止が必要な時もあります。診察時に確認させてください。

薬物療法

1型糖尿病はインスリン強化療法が基本となります。二型糖尿病は食事療法と運動療法を行っても改善が得られない場合に、経口血糖降下薬やGLP-1作動薬もしくはインスリンを使用します。経口血糖降下薬は現在では様々な種類があり、患者様の病態や既往症および合併症によって選択します。当院ではGLP-1作動薬やインスリン製剤も扱っており、自己注射指導や自己血糖測定器指導なども実施しております。