医院名:ワールドシティ益子クリニック 
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高血圧

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高血圧とは

高血圧は、血圧が正常値を超える状態を指します。長期間にわたって高い血圧が続くと、心臓や血管に悪影響を及ぼす可能性があります。高血圧は、遺伝、生活習慣、ストレスなどの要因によって引き起こされることがあります。食事の改善、適度な運動、禁煙などの生活習慣の改善が重要です。また、医師の指示に従い、適切な薬物療法を受けることも効果的です。定期的な血圧のモニタリングと健康な生活習慣の維持は、高血圧の管理において重要です。早期の対応と予防が、高血圧による合併症を予防するために不可欠です。

高血圧による合併症

高血圧には、以下のような合併症が存在します。

心血管疾患

高血圧は心臓と血管に負担をかけるため、冠動脈疾患や心筋梗塞、心不全、脳卒中などの心血管疾患のリスクを増加させます。

腎臓疾患

高血圧が長期間続くと、腎臓の血管にダメージを与え、腎臓疾患の発症リスクが高まります。最悪の場合、腎不全に至ることもあります。

眼疾患

高血圧は網膜血管にも悪影響を及ぼし、眼底出血や出血に伴う網膜剥離のリスクを増加させます。視力の低下や失明の原因となる可能性があります。

動脈硬化

高血圧によって血管壁に負担がかかると、動脈硬化が進行する可能性があります。これにより、血管が狭くなり、血流が制限されることでさまざまな器官への血液供給が悪化します。

その他の合併症

高血圧は、認知症、調節障害、睡眠時無呼吸症候群、性機能障害など、さまざまな健康問題のリスクを増加させる可能性があります。

高血圧による合併症の発症リスクを最小限に抑えるためには、血圧の管理と定期的な健康チェックが重要です。

高血圧の基準

診察室血圧 家庭血圧
収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120-129 かつ <80 115-124 かつ <80
高値血圧 130-139 かつ/または 80-89 125-134 かつ/または 75-84
高血圧症 ≧140 かつ/または ≧90 ≧135 かつ/または ≧85

高血圧は、診察室で血圧を測定した際に、収縮期血圧(最高血圧)が140mm Hg以上あるいは拡張期血圧(最低血圧)が90mm Hg以上である場合に診断されます。収縮期血圧は一般的に「上の血圧」と呼ばれ、心臓が収縮する際に血液が最も強く流れる時の血管内の圧力を計測した数値です。一方拡張期血圧は「下の血圧」を指し、心臓が拡張してゆっくりと血液が流れる時の血圧です。高血圧治療ガイドライン2019では上の表のように分類されています。日常の環境下である家庭で測定した方が、一般的には安定した状態で血圧を測定できるため、家庭で測定する血圧を基準にすることが推奨されています。

高血圧の原因

高血圧の要因は複数あります。遺伝的要素は重要であり、家族歴に高血圧の人がいるとリスクが高まります。また、生活習慣も影響を及ぼします。高塩分の食事や飲酒の過剰摂取、肥満、運動不足などは高血圧のリスクを増加させます。ストレスや喫煙も血圧を上昇させる要因です。さらに、年齢の上昇に伴い、血管の柔軟性が低下し、高血圧のリスクが高まります。一部の疾患や薬物の使用も高血圧の原因となる場合があります。高血圧は複数の要素が組み合わさった結果として発症するため、予防や管理には健康な生活習慣の維持が重要です。

本態性(一次性)高血圧と二次性高血圧

高血圧症は原因がはっきりしない「本態性高血圧症」と他の疾患や薬剤が原因で発症する「二次性高血圧症」の二つに分類されます。このうち80~90%が本態性高血圧症です。明確な原因はわかっていませんが、塩分の過剰摂取、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、寝不足、喫煙、遺伝、加齢などの様々な要因が影響して発症すると考えられています。
残りのおよそ10~20%が二次性高血圧と言われています。原発性アルドステロン症やクッシング症候群などのホルモン異常や腎実質性高血圧や腎血管性高血圧などの腎機能と関連があるもの、その他睡眠時無呼吸症候群でも起こることがあります。稀ですが、痛め止めや漢方薬で血圧が上昇することがあります。若年発症の場合や難治性高血圧および心肥大や腎障害など臓器障害の進行が速い高血圧などは二次性高血圧を疑い、採血で様々なホルモンを測定したり、腹部超音波検査や腹部CT検査で副腎や腎臓に異常がないかを確認します。

高血圧の治療


高血圧の治療は、医師の指導のもとで適切に行うことが重要です。治療の目標は、血圧を正常範囲に下げることと、心血管疾患やその他の合併症のリスクを低減することです。
治療の際にまずは、生活習慣の改善が重要となります。塩分の摂取制限、バランスの取れた食事、減量、適度な運動、禁煙などが推奨されます。
また、必要に応じて薬物療法が行われます。降圧薬は複数の種類があり、患者様の状態に合わせて適切な薬剤を選択します。一般的な薬剤にはカルシウム拮抗薬、ARB、利尿剤、ベータ遮断薬、抗アルドステロン薬などを使用します。
治療は医師の指導のもと継続的に行うことが重要です。血圧の管理は心血管の健康と生活の質を向上させるために不可欠です。健康診断で血圧の数値を指摘されたら、早めにご相談ください。

高血圧の治療目標

若年・中年・前期高齢者 125/75mmHg
後期高齢者 135/85mmHg
糖尿病患者 125/75mmHg
慢性腎臓病(CKD)患者 125/75mmHg
脳血管障害もしくは冠動脈疾患既往歴あり 125/75mmHg

生活習慣改善

食事の改善

高塩分の食品を制限し、バランスの取れた食事を心がけましょう。食物中のカリウム、マグネシウム、カルシウムを摂取することも推奨されます。食事のアドバイスや栄養士の指導を受けることも有益です。

減量

適正体重を維持することは血圧の管理に役立ちます。肥満は高血圧のリスクを高める要因ですので、減量を目指しましょう。

適度な運動

日常的な運動は血圧の降下や心血管の健康促進に効果的です。有酸素運動(ウォーキング、水泳など)や筋力トレーニングを取り入れましょう。医師の指示に従い、適切な運動プランを作りましょう。

ストレス管理・睡眠

ストレスは血圧を上昇させる要因ですので、リラクゼーションテクニックやストレス軽減法を取り入れ、ストレスを管理しましょう。適度な休息と睡眠も重要です。

喫煙の避け

タバコの使用は血圧を上昇させ、血管にダメージを与える可能性があります。喫煙を避けるか、禁煙を目指しましょう。

適度なアルコール摂取

過度なアルコール摂取は血圧を上昇させることがありますので、適度な範囲での摂取に留めましょう。