大腸ポリープ
大腸ポリープは、大腸粘膜にできる隆起性の病変で、腫瘍性と非腫瘍性があります。腫瘍性の大腸ポリープの場合、進行していくと大腸がんを発症する恐れがあります。また、非腫瘍性の大腸ポリープも、一定の大きさに成長していくと腫瘍化して大腸がんになる可能性があります。
大腸ポリープは、自覚症状が乏しいため早期に発見するには、大腸カメラ検査が欠かせません。検査時に大腸ポリープを見つけたら、内視鏡で切除することができます。腫瘍性も非腫瘍性も、切除することで大腸がんを予防することが可能です。大腸がんの予防・早期発見には、症状が特になくても定期的に大腸カメラ検査を行うことが大切です。
大腸ポリープ切除は、今まで入院を必要としていましたが内視鏡技術の向上や切除した際の出血処置が進歩したことで、日帰り手術による切除が可能となりました。
日帰り大腸ポリープ切除
大腸カメラ検査で見つけた大腸ポリープは、その場で切除することで大腸がんの予防につながります。大腸カメラの検査自体は10分程度で終了しますが、ポリープをその場で切除する場合は、30~40分ほどかかります。日帰り大腸ポリープ手術は、入院の必要がなくその日のうちにご帰宅ができます。検査前の下剤などの準備も一度で済みますので、患者様のご負担を軽減できます。
早期発見により生活の質(QOL)を守ります
40歳を過ぎると大腸がんのリスクが上昇していきます。大腸がんは早期に発見できれば切除による治療が可能です。また、前がん病変である大腸ポリープは、自覚症状が乏しくそのまま放置しているとがん化(大腸がん)する恐れがあります。大腸ポリープを切除することで、大腸がんの予防につながります。当院では、大腸がんの予防や早期発見のために、定期的に大腸カメラ検査を受けていただくことをお勧めしています。ご自身の生活の質(QOL)を守るためにも40歳を過ぎたら、特に症状がなくても一度検査を受けましょう。
切除方法
コールドポリペクトミー
ポリープにスネアをひっかけて締め付けて切除する方法です。高周波を流して焼き切るポリペクトミーと比べて、術後の炎症や出血、穿孔などのリスクがほとんどありません。切除した際に少量の出血がありますが、自然に止血します。他の切除法と比べて安全性が高く、安心して手術を受けていただくことができます。
切除後の注意点
入院の必要がなく、切除後はそのまま帰宅ができますが、ご帰宅後は安静に過ごして下さい。また合併症や出血のリスクを抑えるために大腸ポリープの切除後は、いくつかの制限を設けています。
食事 | 大腸ポリープを切除した当日は、おかゆやうどん等の消化の良い食事をとるようにしましょう。翌日から数日の間、香辛料(唐辛子など)や油脂の多いメニューを避けてください。 |
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飲酒 | 切除から1週間程度は飲酒を控えてください。飲酒は血行が促進されるので、切除した部分の出血リスクが上昇します。 |
入浴 | 切除当日はシャワーのみ、入浴は翌日から可能です。 |
運動 | 腹圧が上がる激しい運動などは、切除からしばらくの間は控えましょう。 |
旅行や運動 | 旅行や出張を控えている場合は、検査をする日を調整する必要があります。飛行機は気圧による出血リスクが上昇するので注意が必要です。事前に医師にご相談ください。 |